小動物な後輩君の愛が深すぎる
その笑顔に一目惚れ
透瑠side


5月下旬、火曜日の午前8時10分。

自転車で登校中、中学時代からの友人の、山吹樹(やまぶき いつき)と合流し、現在、彼と談笑しながら歩いて学校へ向かっている。



「へぇ~、先輩の家族と一緒に?」

「うん。親同士仲良しだから」



隣を歩く樹に、昨夜の出来事を話す。


俺の両親は、清花さんの両親と同級生同士。
何度か彼女の両親が家に遊びに来ていたのを見たことがある。

俺が戻ってきたのもあって、みんなでバーベキューをしようという話になったらしい。



「だから口元が緩んでるんだ」

「えっ……そんなにニヤニヤしてた?」

「うん。透瑠、わかりやすいから」



キッパリと言い切った樹に苦笑いを浮かべる。


そう言われても……嬉しいに決まってるだろ。

だって、俺が帰ってきたからバーベキューしようって話になったんだぞ⁉

青石家に気に入られてるってことじゃん!



「夏休み、まだ2ヶ月も先なのに、そんなにニヤニヤする?」

「い、いいだろ! 2ヶ月先でもモチベ上がるんだから!」

「ふーん」
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