小動物な後輩君の愛が深すぎる
「単純だね~」と、クスクス笑う樹。


昨夜、連絡が来たのが嬉しくて、ずっとニヤニヤしてて、遠足前の子どもみたいになかなか寝つけなかったのはここだけの秘密。



「先輩、元気だった?」

「うん」

「そっか、また一緒に委員会やりたいなぁ」



樹は清花さんと同じ小学校出身で、中学時代も同じ図書委員になったことがあるそう。

樹いわく、仕事が丁寧で早く、先生からよく褒められていたらしい。

小学生の時点で既に優秀だったとは……さすがだ。



「青石先輩の一緒の時、すぐ終わるから早く帰れるんだよね~」

「は? 仕事サボってたのか?」

「違うよ。そんなことしたら怒られるに決まってんじゃん。っていうか、むしろ、先輩に褒められたことあるし」



「対応が丁寧だねって」と付け加え、ドヤ顔を見せた樹。

ふーん……まぁ、樹も清花さんみたいに頭いいからなぁ。本も好きだし。


別に、羨ましくなんか……。



「あれ? やきもち妬いてる?」

「……うるせぇな。妬いてねーよ」

「さすが透瑠くん、愛が深いですなぁ」
< 22 / 236 >

この作品をシェア

pagetop