小動物な後輩君の愛が深すぎる
告白と秘密
透瑠side



「そろそろ先輩に会ってあげなよ」

「わかってるよ……」



翌週の月曜日。

樹に返事をし、机に突っ伏す。


清花さんを避け始めて1週間。
ラグ先輩が言うには、清花さんは俺に謝ろうとしているらしい。


むしろ謝るのは俺のほうだ。

勝手に勘違いして、やきもち妬いて、傷つけて。

今もこうやって避けている。


さすがに春休みまで引き延ばすのはな……。今はテストモードだから、終わってから話そう。







「透瑠! お疲れ! どうだった?」

「全教科全部解けた」

「おぉ~やったね!」



テストが終わって樹とハイタッチ。

下校時間になり、帰る準備をしていると……。



“──1年5組、水沢透瑠くん。職員室に来てください。もう1度繰り返します……”



「あれ? 何かやらかしたの?」

「いや……特に何も……」



こんなタイミングで呼び出し……? 何かしたっけ?

不思議に思いつつ、スクールバッグを持って職員室へ向かった。
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