小動物な後輩君の愛が深すぎる
へぇ、人懐っこいなぁ。

猫って気まぐれな性格って言うし。珍しいなぁ……って、また逸れちゃった。


わざわざ呼び出しておいて猫の話?
真面目な海先生がすることじゃないよな?
ドッキリか何かか?



「それで、水沢くんに会ったら元気出るかもしれないと思って連れて来たんだ」



つ、連れてきた……⁉ 嘘だろ⁉

いやいやいや、いくら元気がないからって勝手に連れて来たらダメでしょ!
他の先生に見つかっちゃうよ!



「ロシアンブルーに似てる女の子だよ。おいで~」

「ロシアンブルー⁉」



優しい声で手招きをした先生。

待って待って待って、まだ心の準備ができてねーよ!


ドキドキしていると、ベッドのカーテンが勢いよく開き──。



「久しぶりだね透瑠くん」

「清花さん……⁉」



そこには、不敵な笑みを浮かべた清花さんがいた。

猫って……ロシアンブルーって……。



「先生⁉ 一体どういうことですか⁉」

「ん? 猫に似てる青石さんが元気なかったってことだよ」



はぁ⁉ なんだよそれ!
って……もしかして俺、はめられた⁉
< 222 / 236 >

この作品をシェア

pagetop