小動物な後輩君の愛が深すぎる
至近距離で照れてる顔を見たら、気持ちを抑えられなくなってしまった。

全力で拒否する彼女をグッと引き寄せる。

その距離、わずか数センチ。


どうしよう。
さっきはあぁ言ったけど、もう唇にしか目がいかない。

目を閉じて顔を近づけた──その瞬間。



「ヘーックション!」



突然どこからかくしゃみが聞こえ、我に返った。


ビックリした……。ってか、けっこう近くなかった……?


恐る恐る窓の外に顔を向ける。



「せっ……先輩⁉」



すると、窓の外から、隼くんとラグ先輩が慌てた様子でこちらを覗いていた。

くしゃみをしたのは多分、鼻をすすっている上川先輩だろう。


嘘だろ……見られてた⁉



「あの花粉症男め……!」

「あっ、ちょっと清花さん……っ!」







逃げ出した先輩達を追いかけたものの、距離があったため追いつけず。逃げられてしまった。

幸い、窓の外にはあの3人しかいなかったから良かったけど……。

あの光景全部見られてたなんて恥ずかしすぎる……!
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