小動物な後輩君の愛が深すぎる
隣の部屋だというのに、笑い声がハッキリと聞こえる。

どんだけ声デカいんだよ。
はぁ、本の内容が全然入ってこない。



『姉ちゃん、もう少し静かにして』

『あ、ごめん! うるさかった?』



我慢できず注意しに行くと、そこには凛々しい顔をした男の子と、綺麗な黒髪の女の子がいた。

うわっ、めっちゃ美男美女。
姉ちゃんにこんな綺麗な友達がいたなんて知らなかった。



『あ、もしかして、さっき話してた弟くん?』

『そうそう! うさぎそっくりでしょ?』

『ちっちゃくて可愛いなー!』



う、うさぎ……⁉
姉ちゃん、俺のこと友達に何て紹介してんだ⁉



『はじめましてー、黒瀬隼です! よろしくな!』

『青石清花です。よろしくね』

『あっ……はじめまして、水沢透瑠です。よろしくお願いします』



その場に座り、ペコリと頭を下げる。

黒瀬さんと青石さんって言うのか。
かっこいい名字だなぁ。



『ごめん、読書の邪魔しちゃった?』

『それより、うさぎそっくりって何だよ』

『そのままだよ。小さいし繊細だし逃げ足速いし。あと、ずっと引きこもってるし』
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