小動物な後輩君の愛が深すぎる
「夏休みまでまだ時間あるし、変更できるよ?」
「いや、一度決めたことは最後まで貫き通さなきゃ、俺のプライドが傷つく! 俺、魚の勉強する!」
「その前にテスト勉強しなよ……」
お調子者のわりには頑固だな。
わざわざ魚の勉強するなんて。
変なところで努力家なんだよね。
◇
「図書室で勉強してくるね」
「おぅ、いってら~」
学校に着き、そのまま図書室へ向かう。
本当は昨日の昼休みに勉強する予定だったんだけど、世界遺産の写真集を見つけて、勉強そっちのけで夢中になっちゃったんだよね……。
なので今日は、ホームルームが始まるまで、図書室で勉強をすることにしたのだ。
いつもは閉まってるけど、テスト前は朝の7時半から開いている。
だからか、黙々と勉強している生徒が何人かいる。
「あれ、透瑠くん?」
「あ……清花さん。おはようございます」
いつも座っている窓際の席に行くと、一足先に透瑠くんが勉強していた。
「おはよう、そっちも勉強しに来たの?」
「はい」