小動物な後輩君の愛が深すぎる
あ、ちょっと声のトーンが上がった。

機嫌が直ってきたみたい。



「ちなみに何の相談だったんですか?」

「デートプランだよ。彼、中学の同級生に片想い中だから」

「へぇ……」



恋愛関係でないと答えると、安心しきったのか、顔がふにゃっと緩んだ。

さっきのぶっきらぼうな透瑠くんはどこへ行ったんだ……。



「……もしかしてやきもち妬いてた?」

「へ⁉」



図星か。
顔を真っ赤にして焦ってる姿がなんとも可愛らしい。



「フフ、可愛い。うさぎみたい」

「……うさぎって言われても全然嬉しくない」



しまった。可愛いからって調子に乗りすぎた。
完全にそっぽ向かれちゃった。



「……ごめん。っていうか、勉強中だったね。邪魔してごめんね」

「待って……っ、一緒に勉強しよう?」



急いで席を立とうとすると、腕を掴まれた。

まん丸のうるうるの瞳、上目遣い。そして、タメ口でのお願い。

……あざといなぁ。

本人は気にしてるみたいだけど、自分が可愛いって絶対わかってるよね。

これも言ったらまた拗ねるんだろうな。



「……じゃあ、少しだけね」
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