小動物な後輩君の愛が深すぎる
左隣に座っている怜也くんに範囲を教える。

成績優秀な反面、なぜか現代文だけが苦手らしく、特に熟語が苦手なんだそう。



「……板書取るのに必死でメモしてなかった」

「え⁉ 苦手ならなおさらメモしないと! とりあえず、範囲の漢字全部書くから覚えて」



席を立って、彼のノートの空白に急いで漢字を書き込む。

現代文の授業まで時間はあるけど、苦手なものを覚えるのは時間がかかるからね。





「────あっ、違う! 『特微』じゃなくて、『特徴』! 山の下は王だよ!」



朝のホームルームが終わった後も、付きっきりで漢字を教える。



「……清花ちゃん、さっきから顔怖い」



視線を上げると、怜也くんは怯えた表情を浮かべていた。



「もうちょっと優しい顔してくれる……?」

「えっ? 私そんなに怖い顔してた?」



こくりと頷いた怜也くん。

えええ……別に怒ってるわけじゃないんだけどなぁ……。



「その、さっきみたいに好きな物の話をしてる時はいいんだよ。ただ、無表情なのが怖くって。清花ちゃん、可愛い系じゃなくて綺麗系の顔立ちだから……」
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