小動物な後輩君の愛が深すぎる
「あ! 華絵ちゃん⁉」
「あら! さくらちゃん!」
キャーと言いながら駆け寄る母親達。
それを冷めた目で見る私達。
予感的中。
恐れていたことが現実になってしまった。
「……清花さん、お疲れ様です」
「あぁ、お疲れ」
苦笑いで話しかけてきた透瑠くんは、少し疲れた顔をしていた。
何があったのか、なんとなく想像がつく。
この母親達のペースに呑まれちゃダメだ……!
「お母さん早く帰ろう。お寿司買うんでしょ?」
「あぁはいはい、ちょっと待って」
「あらっ、清花ちゃん⁉ 久しぶり~! 元気だった~?」
「あっ、はい……こんにちは」
母の腕を引っ張ろうとしたが、透瑠くんのお母さんに捕まってしまった。
ヤバい、と思った瞬間。
「透瑠くんも久しぶり! いつも清花がお世話になってます~」
「ど、どうも……」
透瑠くんも私のお母さんに捕まってしまった。
互いに目を合わせ、「ごめんね」と目で謝り合う。