小動物な後輩君の愛が深すぎる
周りに見渡すと、面談を終えた親子達がチラチラとこちらを見ていた。

静かな昇降口で大きな声で話しているから、余計目立っているんだろう。



「ちょっと! もう少し声抑えてよ! 他の人達がびっくりしてるって!」

「あら、ごめんねぇ~」



ふと透瑠くんを見ると、母親達の圧にやられたのか、げっそりと疲れた顔で立ち尽くしていた。

あぁもう、これ以上見ていられないよ……。



「そんなに話したいなら、外でやってよ」

「そうね。そうだ! せっかくだし、このままみんなでお昼食べに行こうか!」



いや、なんでそうなる⁉
一旦家に帰ってお寿司買いに行くんじゃなかったの⁉



「賛成! 透瑠も行くでしょ?」

「うん……早く行こ、腹減った」



その場から逃げるように先に歩き出した透瑠くん。

そのまま私達は、お昼ご飯を食べにファミレスに向かうことに。


はぁ……これは長期戦になりそうだ。







「夏休みのキャンプ、人気なのか、7月の予約が取れなかったのよ~」

「この前テレビで特集されてたもんね~」



ファミレス内。
会話を楽しむ母親達の隣で、静かに食事を取る私達。
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