小動物な後輩君の愛が深すぎる
「あら、嫌なの? お似合いだと思うけどな」
お似合い……どこかで聞いたことがあるセリフ。
確か菫が言ってたっけ。
「別に……嫌じゃないけど」
「ならいいじゃない。透瑠くんとアスレチックデート、楽しんだら?」
ルームミラー越しに視線が合い、母の目が三日月の形になった。
これは完全に親子別行動で楽しもうとしてるな。
夏祭りデートの前にアスレチックデートかぁ。
何度も遊んではいるけれど、2人で遊びに行ったことはないんだよね。
……あれ、なんでドキドキしてるんだろう。1泊2日だからかな……?
◇
月日は流れ、8月上旬。
待ちに待ったキャンプの日がやってきた。
父親達の運転でキャンプ場まで向かう。
「久しぶりの青石家と水沢家のキャンプ、楽しんでいきましょう!」
「「「イェーイ!」」」
親達の陽気な歓声が車内に響き渡る。
4人で集まってキャンプするのは学生時代ぶりなんだって。