小動物な後輩君の愛が深すぎる

お肉を頬張る姿を見てクスクス笑い出した透瑠くん。

調子に乗った様子で、今度は鶏肉を渡してきた。


……なんか楽しそう。
私ががっついて食べているのがそんなに面白い?



「そういう透瑠くんもお肉ばっかり食べてるじゃん! 野菜も食べなさい! 嫌いじゃなかったよね?」

「そうですけど……野菜食べたら、またうさぎそっくりって思うんでしょ?」



……ハッ!
そうか、ニンジンとキャベツ。確かにうさぎっぽい。

まさか、言われるのを気にしてあまり食べなかったの⁉



「え、今気づいたんですか?」

「お肉のこと考えてたから……」

「なんだ、俺の取り越し苦労か」

「あぁでも、肉食のうさぎもいるらしいよ」

「……今その情報いる?」



あ、また拗ねちゃった。



──1時間後。



「よし! 最後は焼きそばにしますか!」



大胆に鉄板の上で麺を焼き始めた透瑠パパ。
「待ってましたー!」と私の父が高らかに声を上げる。
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