小動物な後輩君の愛が深すぎる
「透瑠くん、お風呂どうぞ」
「あっ、はい!」
1人で考えていると、頭にタオルを被った清花さんがドアの隙間から顔を覗かせた。
父親達に見送られ、お風呂に入る準備をしに向かう。
……花火の件、まだ何も言われてないな。
夜のキャンプ場を散歩してこい! とかだったらどうしよう。
せめて室内でするやつであることを願おう。
「透瑠くん、ちょっといい?」
「はい?」
着替えを持ってお風呂へ向かう途中、清花さんに呼び止められた。
スウェット姿だけど、少し髪の毛が濡れていて色っぽい。
……って、何考えてんだ俺は。邪念は消せっ。
「お風呂上がったら、屋根裏部屋に来てね」
すると、彼女はコソッと耳元で囁き、ちょっぴり悪い笑みを浮かべて去っていった。
何今の……なんか怪しくない⁉
あの顔は絶対悪巧みしてた!
ってか、屋根裏部屋⁉ 何するつもり⁉
……あれじゃないか? 星の観察! 星座の解説しろとか! あの部屋、窓あったし。
それか、カラオケするから一緒に歌えとか。でも、夜だから近所迷惑か。
あぁもう! 一体何するつもりなんだ⁉