小動物な後輩君の愛が深すぎる
目の前に見せてきたのはタブレット。

画面に映っているのは、緑色の盤面と白い石と黒い石。



「リバーシ……?」

「そう! 今度こそ決着つけよう!」



さっきまでの安心感が不安感に一瞬で早変わりした。


嘘だろ……リバーシって、1時間以上かけて戦っても、ずっと引き分けだったやつじゃん。

それでいて決着をつけるということは、勝敗が決まるまで終わらないということ。

今夜は長い夜になりそうだ……。



──2時間後。



「ああーー! そこだけはやめて!」

「ごめんね。負けたくないんだ」



黒い石がひとつふたつと、次々とひっくり返される。



「ええー、また同点? じゃあもう1回やるか」

「勘弁してください……っ!」



清花さんとは4年前から、テレビゲームはもちろん、トランプや百人一首などの室内ゲームで何度も対戦してきた。

お互い負けず嫌いなので、毎回粘って長期戦になることが多い。


今回は清花パパにタブレットを借りてやっている。

けど、画面を直視してるから、さすがに何度もやるのは頭だけでなく目も疲れる。


しかも……。
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