小動物な後輩君の愛が深すぎる
「……どうぞ」



失言したことを後悔していたら、そっと左腕を差し出してくれた。



「ありがとう。急にごめんね」

「いえ……色々考えてくれてありがとうございます」



お礼を言うと、再び顔を逸らされた。


迷路の時も人目はあったのに……と思ったけど、知り合いに会うかもしれないということをすっかり忘れていた。

高校も近いし、クラスメイトに会う可能性もあるよね。
それに、中学時代の同級生もいるかもだし。

私は平気だけど、年頃だから恥ずかしいんだろう。



屋台を回って、焼き鳥を購入した私達。

ベンチが全て埋まっていて座る場所がなかったため、歩きながら食べている。



「あ、樹くんだ」



すると、前方の焼きそば屋さんに、樹くんと浴衣姿の女の子を発見。

樹くんの顔が、いつもより緩んでいるような気がする。

もしかして……。



「ねぇ、あの子って樹くんの彼女?」

「はい。中学の同級生なんです。顔見知りです」



「リア充め……」と険しい表情で呟いた透瑠くん。

そっかぁ、彼女とデートかぁ。青春だねぇ。
話しかけたいけど、邪魔しちゃ悪いか。
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