小動物な後輩君の愛が深すぎる
「ありがとう!」

「喜んでもらえて良かったです」



細めた目と上がった口角。
再び胸がトクンと脈を打った。

行きの車内で見た大人びた顔とは対照的に、くしゃっとした無邪気な笑顔。


いつもの可愛らしい透瑠くんなのに……なんでドキッとしたんだろう。

浴衣マジック……かな?







「ありがとうございました! また始業式に隼と一緒に伺いますね」

「お~! ありがとう! 智恵理も喜ぶよ! またね!」



花火が終わり、乗り込んだ場所にて下車。
透瑠パパと透瑠くんに別れを告げて帰路へ就く。


今日は楽しかったな。花火もバッチリ見れたし、焼き鳥も美味しかったし。

それに中学時代のクラスメイトとバッタリ会って、懐かしくなってつい話し込んじゃった。
メイクしてて大人っぽかったな~。



帰宅し、部屋着に着替えてスマホを見ると、透瑠くんから写真が届いていた。

横向きと縦向き。縦向きの写真は、若干ぎこちない顔をしている。

そういえば、クラスメイトに「彼氏くん?」って言われた時、透瑠くん超焦ってたっけ。


透瑠くんが彼氏かぁ…………悪くないかも。
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