危険な溺甘同居、始めます!
私の家にいたのは王子様
「ここが……これから通う高校…!」
目の前にある少し古めの見慣れない高い校舎を見上げ、そう呟いた。
わたし────南一華(みなみ いちか)は今日から高校一年生になる。
入りたかったこの高校のために一生懸命勉強して無事合格。頭がいいわけでもない私は徹夜してみっちり勉強した。
桜の花びらがひらひらと舞い落ちる。
校門をくぐり、桜の木の下を歩きながらクラス表の書いてある大きな紙に近づく。
「絹(きぬ)ちゃんと同じクラスがいいな……っ!」
「……一華うるさい。はしゃぐな」
そう私に引いたような目線を向ける絹ちゃんこと、七瀬(ななせ)絹ちゃん。