危険な溺甘同居、始めます!
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「ただいまー!」
そう言って家に入っても誰もいないから声は返ってこない。
「ただいまです」
とその隣で彼方くんが言った。
急いで靴を脱いで、玄関に立ってる彼方くんに向き合って
「おかえり、彼方くん!」
そう、笑って返事をした。
うち、帰る時間には家に誰もいないから、彼方くんはおかえりなんて言ってもらえることあんまなかっただろうし。
「……っ、」
彼方くんは目を見開いて驚き、しばらくしてははっと笑った。
その目は甘く優しくて、思わずドキッとしてしまう。
この人……本当にかっこいいな…ぁっ!?
思わず見惚れていると、彼方くんは私の腰に手を回し、私を引き寄せた。
また!!!また!!抱きしめられてる!!
「ちょ、彼方く…っ」
「なに」