危険な溺甘同居、始めます!





変なこと言い始めた彼方くんの腕を掴み、行ってきます!と言って家を出る。


「一華から手繋がれたの初めて」

「…っ、手じゃない!!腕!!引っ張ってるの!!」


何言ってるの本当に……!!
たまに彼方くんはよく分からない発言をする。

ちらっと彼方くんを見ると嬉しそうに私を見ていた。その目があまりにも熱く甘くて思わずドキッとしてしまう。


「俺は手の方がいい」


……っ!!
そう言って私の手を取る。恋人繋ぎ……!!
何回彼方くんに手を繋がれても慣れない。
でも、嫌じゃなくて、すごく安心するんだ。


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私たちが駅に着くと、絹ちゃんと片瀬くんはもう着いていた。


「絹ちゃーん!!」

そう言って駆け寄ると絹ちゃんは気づいてくれて手を振った。


「あれ、一華ちゃん可愛い」


片瀬くんが私を見てそう言うと彼方くんが私の前に立った。


「……」

「おお、無言の圧だ」



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