危険な溺甘同居、始めます!





えっ……と思い少し躊躇してしまう。
だって、彼方くんにじっと見られているから。

すると、彼方くんはカチューシャを手に取り私の方に手を伸ばしてきた。


「え?……わっ!」


フワッと頭にカチューシャをつけられる。
な、なんか……たくさん人がいるのに恥ずかしい……っ!!
驚いた目で彼方くんを見つめると


「…うん、可愛い」


とあまりにも優しく笑うから、じわじわと顔が熱くなる。


「…っ、び、びっくりさせないでよ、もう!」

「かわいいよ一華」

「……ぅぅ…っ」


か、彼方くんは目がおかしいよ……。
すると、カチューシャがサッと取られて


「買ってくる」


と彼方くんが言ってレジに向かう。
……え、え、ちょ、まって!!


「か、彼方くん!!私が買ってくるから!」

「いい」

「ええ!?」


あっさり断られてしまい、結局彼方くんに買ってもらうことになった。




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