危険な溺甘同居、始めます!
女嫌いの本当のワケ





「一華」

「え?」


驚いて彼方くんを見ると真剣な顔で私を見つめている。
どうしたんだろう……。と思いまた座る。


「一華、聞いて」

「えっ」

「俺が……女嫌いになった理由」


私に目線を合わせて彼方くんはそう言う。
きっとこれは、陽方さんも関わってくる話。彼方くんの過去が……わかる話。


「…うん、聞くよ」


頷いて彼方くんを見つめ返す。
すると、彼方くんはふっと微笑んで手を握る。


「ゆっくりでいいよ、無理しないで」


そう言って彼方くんの手を強く握り返す。
きっと、私が考えるよりも辛いのだろう。だからさっきあれだけ取り乱したし、今こうやって改まっているんだ。

私が不安な顔してちゃだめだ。

すると、彼方くんの口は開いて話し出した。





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