危険な溺甘同居、始めます!
でも、ある日家に帰ると、
「……香水?」
入った瞬間香水の匂いがして鼻をつまみたくなった。
兄さんが夜遅くなる時に服につけてくる女の香水。
いつもの女の匂いとは違い、その匂いの濃さに気分が悪くなる。
でもリビングにはいないどころか電気もついてなくて。ああ、部屋にいるんだなと思った。
兄さんの隣の部屋が俺だから必然的に部屋に行く時は兄さんの部屋を通らないといけなくて。
たまに、近くを通ると甘ったるい女の声とベッドがギシギシ動く音が聞こえて。
あまりにも生々しくて、そこから自分の部屋に行くのが嫌になって女が家にいる時はリビングにいるようになった。
事が終わったら部屋から出てきて階段を降りる音がして。リビングの前を通るときの会話が
「やっぱ陽方いいわぁ。また相手してね」