危険な溺甘同居、始めます!
気持ち悪いぐらいの甘ったるい声にバッと体を離す。
「……帰れ」
寒気がする。体が拒絶してる。
「えぇ〜?なんでそんな事言うの〜?私なら、彼方くん満足させてあげられるよ?」
と女は俺の首に手を回して顔を近づけてくる。
体がビクッとする。
ああ……嫌いだ。なんで俺が……。
気づいたら女の手を振り払っていた。
「……二度と、関わるな」
自分でも有り得ないぐらいの低い声が出る。
その声は若干震えていたようにも思えた。
ドアを閉めてリビングに戻る。
服についた香水の匂いが、臭くて、嫌で、どうにかなりそうだった。
そのときから、俺は女が嫌いで……怖かった。