危険な溺甘同居、始めます!
過去に、囚われている……。
確かにその通りだ。女だって全員が全員あんなやつじゃないし、ずっと女嫌いだとこの先困ることもあるだろう。
それに、兄さんと住むのは、これからも女と関わることを意味する。
ならば……その友達の家に行こう。
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「……これが、俺の過去」
「…っ」
彼方くんは苦しいはずなのに淡々とその過去を語る。
なんでこんなに彼方くんが苦しまなければならなかったの……。
思わず、私は彼方くんをギュッと抱きしめた。
「…っ、一華?」
「そっか…私ね、なんで女嫌いなのに私の家に来たんだろうってずっと疑問だったの」
「……」
「私に……助けてほしかったんだね」