危険な溺甘同居、始めます!





「私は、彼方くんにどんな過去があろうとその苦しみを一緒に分けたい」

「…っ」

「彼方くんはなにも…悪くない」


あんなトラウマレベルなことされちゃ、そりゃ女嫌いになるし怖くなる。


「私は、彼方くんを支えたいって思うよ。どんなに辛かったとしてもそれを忘れさせられるぐらい、彼方くんを笑わせたい」

「……っ」

「だから…その痛みを半分こしよう」


私は、彼方くんの味方だから。
過去に囚われたままじゃなくて、ちゃんと前に進めるように、私が導いてあげたい。


「……我慢したような、そんな顔しないで」


いろんなこと、ずっと我慢してきたのだろうか……。
何故か私の目からは涙が流れた。
な、なんで私が泣いてるの…っ、こんなんじゃ、頼りないじゃんっ!


「ご、ごめ……っ、んっ」



< 171 / 257 >

この作品をシェア

pagetop