危険な溺甘同居、始めます!





顔を手で隠そうと、顔の近くに手を持っていくと、その手を彼方くんに掴まれる。
と同時に目の前が彼方くんの顔でドアップになり、唇にはふにっと柔らかい感触と熱が伝わる。


……っ、え?

こ、これって……っ


「…んんっ、か、かな…た…っ」


き、キス、なんじゃ……っ!!
顔が熱くなっていくのがわかる。な、なんで……っ。


「…ふ、ぁ……っ」


初めての感覚に何も考えられなくなる。
な、なんでこんなに…甘いの…っ。

口から漏れる声が高くて恥ずかしくなる。
目に涙が溜まってきて、彼方くんの胸板をトントンと叩く。


「…んぁ……ま、まって…っ」


すると、唇が離れ、肩ではぁはぁと息をする。
彼方くんは全然息切れしてないみたい……なんでそんなに余裕なの…っ。




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