危険な溺甘同居、始めます!
伝えるタイミングといえば……陽方さんに送ってもらった日。あの時があったんだけど、
「タイミング逃したんだよね……あれ以来なくて」
ていうか勉強ばっかだったし。しょうがなかったというか。
もう一度彼方くんの方を見ると、微笑んでくれて。それに胸がキュンっと高鳴る。
「……めっちゃ好きじゃん」
「…うるさい」
瑞希くんの肩をバシッと叩いて前を向かせると、チャイムが鳴った。
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「じゃ、気をつけて帰れよ〜。テスト終わったからって浮かれんな」
先生の言葉にガタガタっと一斉に席を立つ音が聞こえて一気に騒がしくなる。
私も席を立って荷物を持つと、ふっと後ろに人影が出来て振り向く。
「帰ろ、一華」
「彼方くん!!」