危険な溺甘同居、始めます!





彼方くんに帰ろ、と言われて嬉しくなる。
なんか、一緒に帰るのが当たり前になってきてて嬉しい。


「じゃあね一華ちゃん!海堂も、頑張れよ〜」


瑞希くんは彼女とデートらしくて上機嫌。
私たちにそう言うと、去っていった。


「ちっ」


頭上から聞こえてきた舌打ち。これは完璧に彼方くん。


「ふふっ、行こっか」


笑って彼方くんと教室を後にする。
そんな時も、彼方くんはさりげなく私の手を握ってくるから、やっぱり恥ずかしくて緊張する。

ちらりと横を見ると彼方くんの綺麗な横顔が見えて、キュンとする。


……好きだなぁ。


「なんか一華、嬉しそう」

「え?」


彼方くんが私を見てそう呟くからドキッとする。


「て、テスト終わったからかな…?」


慌てて誤魔化すと、彼方くんはハハッと笑ってくれた。




< 212 / 257 >

この作品をシェア

pagetop