危険な溺甘同居、始めます!
彼方くんに帰ろ、と言われて嬉しくなる。
なんか、一緒に帰るのが当たり前になってきてて嬉しい。
「じゃあね一華ちゃん!海堂も、頑張れよ〜」
瑞希くんは彼女とデートらしくて上機嫌。
私たちにそう言うと、去っていった。
「ちっ」
頭上から聞こえてきた舌打ち。これは完璧に彼方くん。
「ふふっ、行こっか」
笑って彼方くんと教室を後にする。
そんな時も、彼方くんはさりげなく私の手を握ってくるから、やっぱり恥ずかしくて緊張する。
ちらりと横を見ると彼方くんの綺麗な横顔が見えて、キュンとする。
……好きだなぁ。
「なんか一華、嬉しそう」
「え?」
彼方くんが私を見てそう呟くからドキッとする。
「て、テスト終わったからかな…?」
慌てて誤魔化すと、彼方くんはハハッと笑ってくれた。