危険な溺甘同居、始めます!




行こう、と歩き出す。
彼方くんは私の持ってた買い物袋をひょいっと取って持ってくれる。


「ありがとう……」

「当たり前でしょ」

「……あれ、そういえば梨花さんは??」


そうだよ。梨花さんと話してたのに、来るの早くない?


「話すだけ話したら、彼氏から連絡来たから帰るって言って帰りやがった。だから一華迎えに来たら男に絡まれてて焦った」

「そ、そうだったんだ……ごめんね、ありがとう」

「なんで一華が謝んの。一華泣かすとか、あの男許さない」


彼方くんの言葉に嬉しくなって、握られている手をぎゅっと握り返した。


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家に帰ってきて、買い物袋をリビングに置くと、彼方くんに手を引っ張られる。
そして連れてこられたのはやっぱり彼方くんの部屋。



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