危険な溺甘同居、始めます!
「ふっ…俺も…あんまり名前言われたことないかも」
笑いを抑えながら絹ちゃんの出ていった廊下の方を見る片瀬くんは、やっぱり耳も赤くてどこか嬉しそうだった。
「…かわいいね」
あんまり聞こえない小さな声で確かにそう言った片瀬くんは、もしかして絹ちゃんのこと……。
なんだか私も嬉しくなって、ふふっと笑ってしまう。
「まあ、絹ちゃんに言われちゃったから今日は邪魔するのやめるよ」
しょうがないなあと言って席に戻って行ってしまった。
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「なんだか、絹ちゃんと片瀬くんも上手くいきそうだねっ」
学校からの帰り道、彼方くんと手を繋いで歩きながら話す。
「一華楽しそう」
「ふふっうん!すっごく楽しい」
絹ちゃんからそんな話は聞いたことないけど、というか聞いても話してくれないけど。
ルンルンで歩いていると、急に繋いでる方の手の力が強くなった。