危険な溺甘同居、始めます!




当たり前のようにそういう彼方くんにまたまたドキッとさせられる。
なんでこんなに余裕なのこの人……っ!

わ、私だってドキッとさせたい!!
そう思って、力を込められた手に返すようにぎゅっと握る。


「じゃ、じゃあ早く、帰ろ……っ?」


上目遣いで真っ赤な顔で彼方くんを見上げる。
いつもの私なら、何言ってるのって言うと思うんだけど。

でも、私だって、早くギュッでしたいもん……っ。

彼方くんはピシッと固まったかと思うと、あーもう、と呟いてその場にしゃがみ込んだ。


「え!?彼方くん!?」


まって、ごめん変なこと言った……!?
慌てて私もしゃがみ込むと彼方くんはこっちを見た。


「え…っ」


その顔は真っ赤で、さっきまで余裕ありげに笑っていた彼方くんとは全く違う顔をしていて。


「なんで、そんな可愛いことするの……」

「わっ」




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