危険な溺甘同居、始めます!




「大丈夫だよ、私彼方くんしか見えてないから……っ!!」


えへへ、と笑って彼方くんを見る。
彼方くんはというと、驚いた顔を一瞬して、ほんのり顔を赤くした。

か、彼方くんの赤面……破壊力……っ。


「…っ、一華って小悪魔だよな」

「ええ?それは彼方くんでしょ」

「可愛い。俺も一華しか見えてないから」


真剣な顔で、でも熱を持った瞳で私を見つめるから。
かぁぁっと顔に熱が溜まる。

そんな私に彼方くんは満足そうにふっと微笑む。


「あー、もう2人きりになりたい。時間あるから教室行くのやめよ」

「え!?でも…っ」

「だめ、逃がさない」


ニヤリと意地悪に笑って私の手をグイッと引く。靴を履き替えたと思うと教室とは逆の方向に歩き始める彼方くん。

……っ、やっぱり小悪魔……!!



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