光は空と地上に輝く
~その日から8日後~

ベッドの上でLINEを開いた。翔からLINEが来ていた。
翔 「香歩、流架を助けたい?」
香歩「もちろん助けたいよ…。流架が助かるなら何でもする。」
翔 「そう言うと思ってたよ。」
「香歩、流架を助けたいなら、『ここ』に来て。」
香歩「『ここ』ってどこ?」
翔 「それは香歩が自分で見つけないと意味がないんだよ。じゃあ終わったら教えてね!」
ベッドから起きた私はすぐに家を出た。そして流架がいる病院に着いた。
「流架。私が助けるから待っててね。」
私がやるべきことは一つ。流架を助けること。絶対に助ける。待っててね流架。
私の目には光がよみがえっていた。私は走り出した。ただ流架のためだけに。

家を出た私はすぐさまバスに乗った。ここからあの場所までは一時間近くかかる。バスに乗りながら考えた。
『ここ』を探すって探すほどでもないじゃん。何度も一緒に来たんだよ?なんで探さないといけないの?もしかして違う場所なの?でもあの場所以外に翔が『ここ』って言いそうな場所はないし。
「次は、みなみ公園前、みなみ公園前」
バスはあの公園に着いた。すぐさま翔と夕日を見た場所に向かう。広い公園をゆっくり進む。湖の周りにある紅葉の葉はすっかり緑になっていた。今でも湖は綺麗なままだ。そして、その場所に着いた。そこにはあの時と変わらない景色が広がっている。
香歩「懐かしいね、翔」
すぐさま翔にLINEを送った。
翔 「今どこにいるの?」
香歩「翔と夕日を見た公園だよ」
翔 「どんな感じ?」
香歩「あの時と変わってない。湖があって、木があって…。違うのは太陽の場所と季節だけ。  
冬が一番いいな。」
翔 「写真撮って送って!」
私は写真を二枚撮って送った。一枚は夏の景色、もう一枚は朝の太陽。
翔 「朝は朝でいいね!やっぱり冬の方がいいね!」
香歩「うん!」
香歩「ねぇ、これで本当に流架を助けられるの?ただ遊んでるだけにしか思えないんだけど…」
翔 「助けられるよ。でもまだできない。もう少し時間が必要なんだ。」
香歩「ずっと思ってたんだけど、どやって助けるの?翔にできるの?」
翔 「助けるのは僕じゃない。流架自身でもない。君だよ、香歩」
え?私なの?でも、どうやって…。私は訳がわからなくなった。
「君があることをしたとき、流架は助かる。でも、そのあることは僕も知らない。知ってい  
るのは香歩と流架だけなんだよ。でも僕はそのヒントだけは知ってる。夢で流架に言われ
たんだ。『答えは香歩たちが知っている。その手助けをしてほしい』てね。」
香歩「少しでも流架が助かる可能性があるなら、私はやるよ。だから教えて。あることって 
何?」
翔 「五つあるんだ。一つ目は今日終わらせた。『ここ』に来るっていうこと。二つ目はあるもの       
を探すこと。ヒントは大切なものだって。三つ目以降は一つ前を終わらせないと教えても
らえないんだ。終わらせる度に夢で教えてくれる。」
香歩「わかった。とにかく家に戻る!」
私は公園で前みたいに湖を見てから家に戻った。そして、果て無く続く空を見つめた。
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