婚約破棄するはずが、一夜を共にしたら御曹司の求愛が始まりました
「勝手なことを……」
彼女の話を聞いた宗介は、頭を抱えた。
『いいじゃないの、お迎えくらい。久しぶりに帰国するんだから』
「迎えは構わないよ。けど前もって知らせてくれよ。こっちも仕事があるんだから」
『社長なんだから時間の自由はきくでしょ? 裁判みたく何時間も拘束されるわけじゃあるまいし』
「きかないよ!」
宗介の母、桂木麻子は社長業を大きく誤解しているようだった。数年後には還暦を迎えるというのに、いまだ世間知らずのお嬢様を地でいく人なので仕方ない。
麻子は、宗介に今から羽田に行けと言うのだ。従妹の莉子が英国から帰国するからだ。麻子は姪である莉子をとてもかわいがっており、莉子もそれをよくわかっている。
「お母さんが行けばいいじゃないですか」
彼女は免許を持っていないが、桂木家には専属の運転手がいる。かわいい姪を思うなら、自分が行けばいいじゃないか。こちらを巻き込むなと言いたいところだ。
「私も行きたいけど、今夜はお客様がいらっしゃる予定なのよ」
父の仕事関係や親族の集まりなど、桂木家はやたらとパーティ―が多い。今夜も例外ではないらしい。
宗介はため息まじりに承諾の返事をした。
彼女の話を聞いた宗介は、頭を抱えた。
『いいじゃないの、お迎えくらい。久しぶりに帰国するんだから』
「迎えは構わないよ。けど前もって知らせてくれよ。こっちも仕事があるんだから」
『社長なんだから時間の自由はきくでしょ? 裁判みたく何時間も拘束されるわけじゃあるまいし』
「きかないよ!」
宗介の母、桂木麻子は社長業を大きく誤解しているようだった。数年後には還暦を迎えるというのに、いまだ世間知らずのお嬢様を地でいく人なので仕方ない。
麻子は、宗介に今から羽田に行けと言うのだ。従妹の莉子が英国から帰国するからだ。麻子は姪である莉子をとてもかわいがっており、莉子もそれをよくわかっている。
「お母さんが行けばいいじゃないですか」
彼女は免許を持っていないが、桂木家には専属の運転手がいる。かわいい姪を思うなら、自分が行けばいいじゃないか。こちらを巻き込むなと言いたいところだ。
「私も行きたいけど、今夜はお客様がいらっしゃる予定なのよ」
父の仕事関係や親族の集まりなど、桂木家はやたらとパーティ―が多い。今夜も例外ではないらしい。
宗介はため息まじりに承諾の返事をした。