婚約破棄するはずが、一夜を共にしたら御曹司の求愛が始まりました
宗介は彼女が手にしているグラスをすぐさま取り上げた。中身はシャンディガフだ。そう強い酒ではないが……彼女はすでに酔っているように見えた。顔には出ないタイプだが、なんとなく雰囲気でわかる。
「どんだけ飲んだ?」
「え~まだ三杯目よ」
莉子は酒好きのくせして、ものすごく弱い。おまけに、酔うと誰かれかまわずからんでいきケンカになったりと、酒のトラブルは数え上げればキリがない。タクシーではなく宗介が迎えに来たのはそのためだ。からまれる運転手が気の毒だから。
「ずいぶん急な帰国だな。いつまでいるんだ?」
本音を言えば世話が面倒だからさっさと帰って欲しいのだが、それはさすがに口にしなかった。莉子は英国で金融関係の仕事についており、それなりに忙しい身なので、おそらく数日の滞在だろう。宗介はそう思ったいたのだが、予想外の答えが返ってきた。
「ずっとよ。日本で宗介と暮らすことにするわ」
「はぁ!?」
寝耳に水とはこのことだ。酔っぱっている莉子の大雑把な話を要約すると、しばらく日本に住むことになるのは本当らしい。勤務先が日本に支店を出すことになり……つまりはただの転勤だ。日本語が話せる英国人はそう多くないから、真っ先に莉子が指名されたんだそうだ。
「どんだけ飲んだ?」
「え~まだ三杯目よ」
莉子は酒好きのくせして、ものすごく弱い。おまけに、酔うと誰かれかまわずからんでいきケンカになったりと、酒のトラブルは数え上げればキリがない。タクシーではなく宗介が迎えに来たのはそのためだ。からまれる運転手が気の毒だから。
「ずいぶん急な帰国だな。いつまでいるんだ?」
本音を言えば世話が面倒だからさっさと帰って欲しいのだが、それはさすがに口にしなかった。莉子は英国で金融関係の仕事についており、それなりに忙しい身なので、おそらく数日の滞在だろう。宗介はそう思ったいたのだが、予想外の答えが返ってきた。
「ずっとよ。日本で宗介と暮らすことにするわ」
「はぁ!?」
寝耳に水とはこのことだ。酔っぱっている莉子の大雑把な話を要約すると、しばらく日本に住むことになるのは本当らしい。勤務先が日本に支店を出すことになり……つまりはただの転勤だ。日本語が話せる英国人はそう多くないから、真っ先に莉子が指名されたんだそうだ。