婚約破棄するはずが、一夜を共にしたら御曹司の求愛が始まりました
「なるほどね~。でもさ、男はいくらでも紹介してあげるけど……」
「ほんと? ぜひ、ぜひお願いします!」
紅は顔の前で両手を合わせ、玲子を拝んだ。恋をしたいという願望はあるものの、どう相手を探したらいいのかは正直わかっていなかった。
紅には男友達と呼べる存在はいない。大学は共学だったが、女子ばかりの英文科だったしバイトが忙しくて部活やサークルには所属していなかった。職場は高齢化が進んでいるし……。そもそもろくに恋愛経験恋のない紅は、男を見る目にあまり自信がない。その点、男女問わず友達も多く、恋愛経験も豊富な玲子なら良い相手を見つけてくれそうな気がした。
「玲子の紹介なら安心だよ」
紅は安堵の笑みを浮かべたが、玲子は渋い顔だ。
「先に断言しとくと、宗介さんみたいな男はいないからねっ。私の周りだって、いい男は多いのよ。みんな高収入でスマートだし、オシャレで見た目もイケてる。紅に似合う男もいるとは思う。けど、宗介さんクラスはいない。あれは砂漠の砂金粒! 奇跡に奇跡を重ねて、ようやく出会えるかどうかってレベルだから……」
「わかってるよ~。CEOとかイケメンとか別に求めてない。優しくて、私を好きになってくれる人ならそれで十分」
「でもね~。ある意味、紅は宗介さんしか男を知らないでしょ? 自分で思ってる以上に理想が高くなってると思うんだよね」
「そんなことないって」
「ほんと? ぜひ、ぜひお願いします!」
紅は顔の前で両手を合わせ、玲子を拝んだ。恋をしたいという願望はあるものの、どう相手を探したらいいのかは正直わかっていなかった。
紅には男友達と呼べる存在はいない。大学は共学だったが、女子ばかりの英文科だったしバイトが忙しくて部活やサークルには所属していなかった。職場は高齢化が進んでいるし……。そもそもろくに恋愛経験恋のない紅は、男を見る目にあまり自信がない。その点、男女問わず友達も多く、恋愛経験も豊富な玲子なら良い相手を見つけてくれそうな気がした。
「玲子の紹介なら安心だよ」
紅は安堵の笑みを浮かべたが、玲子は渋い顔だ。
「先に断言しとくと、宗介さんみたいな男はいないからねっ。私の周りだって、いい男は多いのよ。みんな高収入でスマートだし、オシャレで見た目もイケてる。紅に似合う男もいるとは思う。けど、宗介さんクラスはいない。あれは砂漠の砂金粒! 奇跡に奇跡を重ねて、ようやく出会えるかどうかってレベルだから……」
「わかってるよ~。CEOとかイケメンとか別に求めてない。優しくて、私を好きになってくれる人ならそれで十分」
「でもね~。ある意味、紅は宗介さんしか男を知らないでしょ? 自分で思ってる以上に理想が高くなってると思うんだよね」
「そんなことないって」