俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
部長はそのまま車をまた走らせると、雑木林の中にちょっと車を入れて停めた。

車を降りる…。

しばらく歩くと山小屋みたいな場所があった。

「ここだよ。ゆーちゃんが亡くなった場所。」

え?ここは…?

頭の中に走馬灯のように何かが流れはじめた。
そして心臓がバクバクと大きく脈打つ。

「俺が小6の春休み。もう中学になるから来年からは夏休みも部活あってこれないかもしれないしって言って、2人で結婚の約束をした。
絶対離れられないんだって思ってた。それくらい俺らの絆は強かったんだ。子どものときの話なのにって思うかもしれないけど、ほんとに…。」

部長はちょっと涙ぐんでいた。

「それで、春休み…2人で遠出をしてここに来た。今でこそ道も整ってるけどそのころは獣道だったし、小学生だった俺たちにとってはここに来たのはいいけど、帰る道がわからなくなったんだ。しばらく山道をさまよってるうちに結子が足をくじいてケガをして…で、この山小屋を見つけて、入って2人で寄り添ってた。死も覚悟したし、結局1週間誰にも発見されなくて、俺らは衰弱していった。
結子は足もケガしてたし、相当体への負担も大きかったはずで…」

部長は泣いていた。


そしてわたしも泣いていた。


部長…それは…それは…
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