俺様上司との不確かな関係～好きになっちゃダメですか？～

「ねぇ。ゆーちゃん。ランドセル。
見てー。」

わたしの小さい妹の世莉(せり)は久々だったからかわたしにまとわりついてくる。
春から1年生になった世莉は楽しそうに笑いながらランドセルを背負ってクルクル回った。

「めちゃくちゃ似合ってるよー。ピンクのランドセル世莉にぴったり～。」

世莉を抱き上げるとほっぺにちゅーする。

「ゆーちゃんくすぐったいー。」

母親の香奈美さんはクスクス笑って見ていた。

「もう東京にいるんだから、もっとうちに顔だしてくれていいのよ。」

香奈美さんは優しい人だとは思う。
嫌いじゃないし。
世莉もかわいい。

けれど、再婚と同時に京都に行ってしまったわたしにはあまりなじみはなかった。

「香奈美さん。ありがとう。あのね。今日はちょっと探したいものがあって…。
わたしの部屋にあった荷物って…まだあるのかな？」

処分されてたらどうしよう…けれど処分されてたところで文句は言えないけど…。