俺様上司との不確かな関係～好きになっちゃダメですか？～

「うん。おばあちゃんのね…形見を取りに来たの。」

「おばあちゃんの？そんなのもらってたのか。」

祖母はわたしが大学に入ってまもなく他界した。

当時京都の大学にいたわたしに祖母は死ぬ直前に日記とアルバムを託したのだ。

「もしかしたら、これが役立つ時があるかもしれない」

と言って…。

「うん。あ、お父さん。」

「ん？なんだ？」

ちょっと聞いてみるか…。

「おばあちゃんってなんで引っ越したの？」

「え？」

明らかに動揺してる…。

「わたしが小5のとき、引っ越ししたでしょ？」

「もしかして、思い出したのか？結菜。」

「遭難のことなら、思い出したみたい。」

「そ、うか…。よかった。って言っていいのかわからないけど、自分の記憶が途切れてるのは嫌なもんだろ？」

「うん。それはまあよかったんだけど…」

父の目を見た。