俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「わたしが知りたいのは…なんでわたしが死んだことになってたのかってこと。」

父が目を見開いた。

「あのとき一緒にいた男の子と会ったのか?」

父の瞳は見開かれたままだ。

「ええ。」

父が何を思ったのか…
わたしが隼斗とどういう関係で再会したと思ったのか…
わからないけれど、かなり長い間わたしの目を見つめたまま沈黙していた。

が…

前を向くとブランコをこぐ世莉に手をふり、意を決したように話し始めた。

「結菜もあの男の子も見つかったときはかなり衰弱していて…命が危なかったことは確かだ。けれど何とか回復して、病院で目が覚めたときに結菜は真っ先にあの男の子のことを心配した。今どこでどうしてるのかって…そしたら、おばあちゃんが言ったんだ。亡くなったと。それを聞いて、結菜は絶句して気を失った。そして3日間眠り続けて…起きたときにはあの男の子との記憶をすべて失くしていた。」
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