俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
あーやっぱり…

わたしの中で戻ってきた記憶がまだ頭の中で整理できていなくて混乱してはいるけれど、隼斗が死んだ気がしていたのは本当だったのだ。

わたしたちは2人ともお互いが死んだと聞かされていた…。

「なんでおばあちゃんがあの男の子が亡くなったと言ったのかは…お父さんはわからない。けど、結菜をもうあの男の子と会わせるわけにはいかないのだとおばあちゃんは言ったんだ。だから引っ越すのだと…。」

まあ、それはわからないではない。

小学生2人が勝手に2人で山の中に入っていって遭難して死にそうな目にあったのだ。
そんな友達とはもう会わせたくないと思うのは別におかしな感情ではない…。

けど…死んだなんて言わなくてもよかったんじゃ…

「おばあちゃんは死ぬ間際まで結菜のことを心配していたよ。いつか思い出したときに…結菜がどうなるのかって…。」

父はわたしをもう一度見た。

「あの男の子もたぶん結菜が亡くなったと聞かされていたはずだ。どういう経緯で再会したのかはわからないし、結菜も大人になったんだから、もうどうこうは言わないけど…結菜がしんどくなったら絶対ひとりでかかえこまないでくれよ。」

お父さん…

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