俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「一哉もね。一哉のまわりを見たら、きっと幸せは落ちてるから。案外気づいてないものだよ。」

「そっかなー?」

「ええ。そうよ。じゃぁわたし行くね。彼が来てるから。」

そして、結菜は俺のほうへ歩いてくると、ガシッと腕を組んだ。

え?

「行こ。隼斗。」

「いいのか?一哉ってやつに見られても。」

「うん。だって、結婚するんだもん。」

「あんなに長く付き合ってたのにか?」

「長かったって、過去だもの。今のわたしとこれからのわたしはずっと隼斗と一緒にいたいと望んでる。だから、こんなにも幸せなんだもん。だからさ、隼斗、未来を生きようね。わたしたちの過去も…過去だから。」

「そうだな。2人でがんばるか。」

そうだ。

過去の亡霊にこだわってちゃいけない。

俺たちは今、出会い、今のお互いを好きになった。


過去は過去。


俺たちの今と未来はこれからの俺たちのものだ。


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