俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「僕のことはいいって。北斗くんの歓迎会なんだからぁ。」

三枝さんがしどろもどろしている姿もなかなか見ないのでおもしろい。

「でも、確かに思った。わたしも2人は仲いいと思う。」

城田さんはわたしとその横に座る北斗を交互に見る。

「いや…それは…」

こっちに話題ふらないでほしい…


「大学が同じなんだ。ただそれだけだよ。」

「ふうん。けどそれだけでゆーちゃんって呼ぶかな?普通。」

「だって、大学の時そう呼んでたんだから今更変えられないでしょ?」

「それは確かに…そうだよね…。
けど、木内が嘆いてたよ。橘さんのこと狙ってたのにぃって。相手が北斗くんじゃ太刀打ちできるわけねぇって…。」

三枝さんが言うと北斗はビールをゴクッとあおった。

「俺とゆーちゃんはみんなが思ってるような仲じゃないよ。」

そして、ビールを煽りながら、切れ長の目をさらに吊り上げてサラッと言った。

「けど、ゆーちゃんに悪い虫がつくかもしれないとなると話は別だから。そういうときは俺もだまってないけどね。」

「……」

みんな一瞬でだまる。



「わ、悪い虫って何言ってんのよ~!北斗。もうほんと。それよりこれおいしいよ~。」

「え?」

「これこれ。ごぼう揚げてるみたいで結構つまみにいけるよ~。」

「あ、ほんとおいしい。」

話題が変わったのでほっとした。

北斗は涼しい顔をしてまたビールをあおっていた。

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