俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「兄貴は…今までの彼女とは違うみたいだし…ゆーちゃんのことは大切に思ってると思うよ。」

北斗がたとえそう言ったって…

「けどさ…もうこの世にいない人になんて勝てるわけないじゃん…。」

涙があふれてきた。きっと北斗の声が優しすぎるせいだ…。

「わたしはきっと一生かかっても部長の中の一番にはなれないんだって…思ったら…」

そしたら…突然ふわっと何かに包み込まれた…。

「俺はいつでもゆーちゃんの味方だから…。」

「北斗…。」

北斗がおっきく感じる…。北斗に包み込まれることで少しばかり安心できる気がした…。

「ごめん…ありがとう…。」

「泣きたければいつでも俺の胸貸してやるから…。溜め込むなよ。」

「うん…。」

北斗の胸は少しはわたしの苦しさをほころばせてくれたような気がした。

わたしはしばらく北斗に身を預けた。

ちょっとでも楽に・・なりたかった。


北斗はずっと…わたしをつつみこんでくれていた…。

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