俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
そうは言っても、ホテルにもどってもでてくるのは結菜の顔ばかり…。

今頃誰とどこで何してんだ?とか…また木内のやつに誘われてんじゃないかとか…
今日はどんなお弁当作ったのかなとか…仕事きつすぎて倒れてないかとか…。

結局一睡もできず、朝を迎えた俺は京都の事務所に顔を出し、京都の神谷物流にも顔を出し、夕方東京に戻ると同時に居てもたってもいられなくて結菜のマンションにやってきた。


だけど…

そこで自分を待ち受けていたのは、北斗が結菜を抱きしめてる2人のシルエットだった。

しばらく北斗が結菜を抱きしめているのを見守ることしかできなかった。

5分くらい経っただろうか…。

結菜が顔をあげた。


そして俺は衝撃を受けた。

泣いている…。結菜が…。


北斗が結菜の涙を指で拭っていた。

くそっ。
ここで踏み出せない自分を恨んだ。
北斗が俺のことを結菜に話したのは明白だ。

結菜が北斗に何やらお礼らしきことを伝えて、うなだれたままマンションのエレベーターを上がっていくのが見える。

俺は建物の影で2人を見ながら、俺自身も途方にくれていた。

どうしたらいいんだ…俺。

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