俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
その夜俺は北斗と飲んだ。

兄弟で飲むってのは、結構昔からよくやってる。
けど、久しぶりだ。

「別れたって?」

「おまえが言うからだろ。」

「だまってられるわけないじゃん。ゆーちゃんがかわいそうすぎる。」

北斗はジントニックをあおった。

こいつは昔から底なしに酒に強くて、よっぽどのことがない限り酔わない。
母親に似たんだろう。

切れ長の目もちょっと茶色がかった髪も色の白さも全部母親譲り。
ひきかえ俺は父親とそっくりとよく言われる。色黒で目鼻立ちのはっきりした顔に真っ黒な黒髪…。

「いつからだよ?」

「何が?」

「ずっと結菜を好きなんだろ?」

「は?んなこと…兄貴に関係ない。」

もう一度ジントニックをあおる北斗。

酔っぱらってもいないのに顔をあからめてプイッと横を向いた。
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