俺様上司との不確かな関係～好きになっちゃダメですか？～

「小学校の3年の時だった。夏休みとかの大型連休になるとゆーちゃんって呼ばれてる女の子がこの近くに来るようになったんだ。そのときゆーちゃんは1年だったから俺の2つ下だったんだな。今思うと。」

ゆーちゃん？

そして、部長はおもむろにエンジンをかけるとまた車を動かした。

2,3分走ったところの民家で車を停めた。

すごく懐かしい感じのする場所だった。
なにか昔知っていたような…そんな場所…。

「ここがゆーちゃんの家だった。っていうか正確にはゆーちゃんのおばあちゃん家。寂しかった俺の心を満たしてくれたのはゆーちゃんの笑顔だったんだ。ゆーちゃんもお母さんを亡くしてて…俺たちは心の奥底でつながっていた。毎日お風呂入るときと寝るとき以外はずっと一緒にいたし、ふつうに東京の学校で過ごしてる時も夏休みとか春休みが楽しみで仕方なかった。」

部長の話を聞きながら、今はだれも住んでいないであろう古びた民家を眺めていると頭の奥がズキッと痛んだ。

門を開けて

『ゆーちゃん。あそぼ。』

と言っている男の子がそこにいたような気がした。


え？何今のリアルなデジャブみたいな感覚…。

また頭がズキッと痛む。