10日間の奇跡


そのまま優に手を握られ、廊下を走る。

幸い先生たちに見つかることなく校門をでたころ、やっと繋いでいた手が離された。


「はぁはぁ、ごめんっ、急に」

「はぁ、ううんっ、大丈夫だよ」

お互い息を整えてふぅーと息を吐く。


「今から行きたい場所があるんだ」

「行きたい場所?どこ?」

「それは内緒」

いたずらっぽく笑う優。

ああ、わたしが好きだった優だ。


「もういつもそればっかり!」

でもいつもわくわくしてた。

優が隣にいてくれるならわたしはどこにだってついていくから。


自然と手を繋いだわたしたちは付き合っていたあの頃に戻ったみたいだった。

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