10日間の奇跡


駅について切符を買い電車に乗る。

優は内緒っていったけど、わたしはもう行先がわかっていた。

そしてその場所にいくことの意味もなんとなくわかっていた。



ザァーザザァー

5日前にもきた海。

潮風がとても気持ちいい。



「あの日ここで沙織が俺に告白してくれたんだよな」

あの日、というのは5日前じゃなくてまだ優が生きていたときのことをいってるんだろう。

懐かしむようにただ海を眺めている優。

「本当は告白するつもりなかったんだけどね」

「ええ、嘘だ?あんときめっちゃそわそわしてたくせに」

「もう!そういうとこ覚えてなくていいのに!」

「・・・覚えてるよ。全部。沙織との思い出」

「・・・優」

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